“魔の7歳”の事故削減のため,交通安全週間を前に実証実験
声かけデバイスで62.5%の児童の飛び出し行動を抑制

掲載日:2023-10-20
研究

 

 

 金沢大学融合研究域融合科学系の森崎裕磨助教とイーデザイン損害保険株式会社(取締役社長:桑原茂雄)の共同研究グループは,小学生の交通事故の削減に向けて,通学路の危険箇所マップ「もしかもマップ」の取り組みの一環として,『おまもりもし子実証実験』を実施しました。

 イーデザイン損保は,事故時の安心だけでなく事故のない世界そのものを共創することを目指しており,その取り組みの一環として,金沢大学と合同で通学中の自動車事故を削減する「もしかもマップ」を2022年4月より開始しました。その後,さらなるアプローチとして,加速度に着目し飛び出しを抑制するような,ランドセルに付ける小型のアラートデバイス『おまもりもし子』を開発,実証実験を行いました。

 子どもの交通事故の増える 10 月に先駆け,秋の交通安全週間を前にした 2023 年 9 月 7 日(木)~9 月 20 日(水)に実施した実証実験では,東京都中野区立江原小学校 1 年生 約 60名を対象に,児童が駆け出す瞬間を加速度から検知し,音によるアラートで駆け出しを抑制できるかを検証しました。

◆実験の概要
● 期間:前半:2023 年 9 月 7 日~20 日/後半:2023 年 9 月 25 日~10 月 6 日
● 場所:東京都中野区立江原小学校の通学路及び周辺路上
● 対象:東京都中野区立江原小学校 1 年生 約 60 名(前半 30 名?後半 30 名)

 その結果,デバイスからアラートを鳴らすと児童の62.5%の駆け出し回数に影響があったことが分かり,飛び出し行動の抑制が確認できました。9 月 25 日(月)以降は,GPS 連動で事前に設定した危険エリアに入った場合に音で注意喚起を行い,事故防止への効果を検証しています。

 今後は,「おまもりもし子」の実用化に向けて小型センサーを開発するなど,機能改善を行いながら,飛び出しの多い箇所のデータを「もしかもマップ」に反映させたり,「もしかもマップ」でユーザーが登録した危険箇所を「おまもりもし子」でアラートさせたりなど,サービスを相互活用していく予定です。これらの開発は,子どもの交通事故予防の新たなツールとして期待されます。

 

 

     

     

     

     

     

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    研究者情報:森崎 裕磨

     

     

     

     

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